【海外駐在員とは?】必要なスキルや準備などについて現役駐在マネージャーが解説!
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近年のグローバル化が進む中で、海外駐在員の需要はますます高まっています。
海外駐在員として働くことは、今後のキャリアにおいて大きなアドバンテージを得るチャンスがあります。
しかし一方で、海外で働くことは異文化や言語、ライフスタイルの違いなど多くの課題が待ち受けているのも事実です。
本記事では、自身も転職を通してキャリアアップし、欧州で海外駐在員として営業マネージャーを経験した筆者が、海外駐在員に必要なスキルやメリット・デメリット、必要な準備などについて解説します。
これから海外駐在を予定している方、将来的に海外駐在員として働いてみたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみて下さい。
もくじ
海外駐在員とは
海外駐在員とは、日本の企業が海外に支店や現地法人を設立し、その国に赴任して働くことです。
日本で経験を積んだ人が海外の支店へ管理職として出向するケースが多く、一定の任期を設けて赴任をするのが一般的です。
海外駐在員の役割
海外駐在員の主な役割は、現地でのビジネスを円滑に進めることです。
- 日本とのコミュニケーションを円滑に行う
- 現地のニーズやマーケットの調査
- ビジネスの拡大促進
- 顧客対応
- 現地社員の指導・教育など
同業との競争が激化していく中で、本社の経営方針や戦略をいち早く海外へ伝えていかなければ、競争に勝ち残ることはできません。
グローバルな視野を持ち、現地におけるさまざまな問題に対応しながら、ビジネスを成功に導く能力が求められます。
海外駐在員は企業において重要な役割を担っているということを覚えておきましょう。
海外駐在員に求められるスキル
- 語学力
- コミュニケーション能力
- マネジメントスキル
- リーダーシップスキル
- 異文化に対する理解
海外駐在員に求められるスキルは多岐に渡ります。
ここからは、その中でも特に重要とされるスキルについて紹介します。
語学力
海外駐在員にとって、言語能力は必須のスキルです。
日系企業から海外駐在する場合は、英語を使ってコミュニケーションを取るのが一般的です。
- 英語での挨拶
- 会議やプレゼン
- 電話やメール対応
- 顧客との交渉
など、さまざまなビジネスシーンでの英語力が必要となるため、話す・聞く・読む・書くの4つの技能をフル活用して対応しなければなりません。
どれくらいの英語力が必要なのか?については以下の記事で紹介していますので、よかったら参考にして下さい。
海外駐在員に必要な英語力はどれぐらい?TOEICスコアや学習方法について解説!
海外駐在員には、英語力だけでなくビジネススキルやコミュニケーション能力も不可欠です。 本記事では、海外駐在員に必要な英語レベルや学習方法、英語力以外で必要なスキルや資格について説明します。 海外駐在を予定している方や将来的に駐在を考えている方向けに役立つ情報を記載していますので、ぜひ参考にして下さい。
コミュニケーション能力
海外駐在員は、グローバルな環境で仕事をするため、異なる国籍や文化を持つ人々とコミュニケーションを取る必要があります。
相手の立場や意見を尊重し、自分の意見も適切に伝えることが必要です。
コミュニケーションスキルを高めるには、自分の先入観にとらわれず、相手の文化や背景を理解し、相手に合わせたコミュニケーションを取ると良いでしょう。
マネジメントスキル
マネジメントスキルは仕事やプロジェクトを効率的に進めるために必要なスキルです。
海外駐在員は、現地で重要なプロジェクトをリードすることもあるため、多くの人やチームを統率する必要があります。
- プロジェクトの計画
- スケジュール
- 予算
- リスク管理
海外駐在員は管理職を任されるケースが多く、プロジェクトに関係する人だけでなく、全体の進捗と管理をしなければなりません。
また、チームのメンバーのモチベーションを高め、コミュニケーションを円滑にすることも重要なマネジメントスキルです。
リーダーシップスキル
リーダーシップスキルは、チームや部下をまとめ、目標を達成するためのスキルです。
海外駐在員は、現地のスタッフと協力してプロジェクトを成功に導いていかなければなりません。
海外でのビジネスのやり方や異文化に対して理解した上で、チームを引っ張っていく能力が必要となります。
異文化に対する理解
海外駐在員には、現地の文化や習慣に関する理解力が求められます。
相手の意見を理解し、自分の意見を伝えることで相手との信頼関係を築くことができ、現地のビジネスパートナーや顧客と良好な関係を築くことができます。
現地の文化に配慮しつつ、日本のビジネススタイルを活かすことができる能力が求められます。
海外駐在員に向いている人
- グローバルで活躍したい人
- 外向的で積極的な性格の人
- 新しい環境に適応しやすい人
- 柔軟な発想ができる人
海外駐在するためには語学力やコミュニケーションスキルが求められるのはもちろんですが、その他にも上記のような方は海外駐在員に向いています。
グローバルで活躍したい人
海外で働くことは、グローバルなビジネスシーンに身を置くことにつながります。
国境を越えてビジネスに携わることで、自分の知識や経験をさらに広げることができます。
また国際的なビジネスの場での実績は、今後のキャリアにおいても大きなアドバンテージとなるでしょう。
外向的で積極的な性格の人
海外で働くことは、新しい環境に身を置くことになるため、自分から積極的に関わりを持つことが求められます。
また職場においても、日系企業のように先輩社員や同僚が手取り足取り仕事を教えてくれるようなことはないため、自ら行動して情報を取りに行かなければなりません。
ですが積極的に行動することで、新しい出会いや経験を得ることができます。
また、チャレンジ精神が旺盛である人にとっても、海外で働くことは刺激的な経験になることでしょう。
新しい環境に適応しやすい人
海外に行くと、文化や言語・生活習慣など、自分の持っている常識が通用しないことがあるため、新しい環境に適応し、柔軟に対応することが求められます。
新しい環境に適応しやすい人は、変化に対して積極的に取り組み、新しいアイデアや解決策を見つけることができます。
また、ストレスや孤独感などの精神的な負担にも強く、前向きに取り組める傾向があります。
新しい環境に適応しやすい人は、海外での生活や仕事において成功するための能力を持っていると言えるでしょう。
柔軟な発想ができる人
海外で働くには、新しい環境に順応できるだけでなく、現状の考え方や枠組みから離れ、柔軟な発想を持つことが求められます。
海外でビジネスを行う場合、相手方の文化や習慣に合わせたビジネスの仕方が必要になります。
また、異なる文化や言語を持つ人々とコミュニケーションをとりながら業務を進めるためには、柔軟な発想やアプローチが必要です。
状況が予測できないことも多いため、適応力と柔軟性が必要とされます。
政治情勢や天候の変化、突発的な出来事など、さまざまな要因によって予期せぬトラブルが起こることがあるため、そのような時に柔軟に対応し、適切な解決策を考えることが重要です。
海外駐在員のメリット・デメリット
海外駐在員には、日本では得られないような貴重な経験を得ることができる反面、リスクも存在します。
ここからは海外駐在員のメリット・デメリットについて解説します。
メリット
- 語学力が上がる
- 年収アップが期待できる
- キャリアアップのチャンスがある
語学力が上がる
海外で働くことで最も大きなメリットのひとつは、語学力が上がることです。
日常生活やビジネスの場で英語を使う機会が増えるため、英語力が向上します。
また英語が母国語ではない国で働く場合は、現地の言語を学ぶことで多言語に対応できる力が身につきます。
語学力が向上することは、将来のキャリアにおいて大きなアドバンテージとなるでしょう。
年収アップが期待できる
日系企業からの海外駐在の場合は、通常の給与に加えて海外赴任手当がつくため、日本で働くよりも年収アップが期待できます。
また福利厚生に関しても日本で住んでいた時と変わらず受けられることが多いため、海外駐在にはメリットが多く存在します。
キャリアアップのチャンスがある
海外駐在員として働くことで、国際的なビジネスに関わる経験を積むことができます。
今ではグローバル化が進み、多くの企業が海外進出しているため、駐在経験を持つ人材は貴重な存在です。
語学力だけでなく、コミュニケーションスキルやビジネススキルを積むことができれば、今後のキャリアに大きなアドバンテージとなるでしょう。
デメリット
- 海外駐在員には限りがある
- 文化や言葉の違いによるストレス
- 家族や友人との距離が遠くなることも
- 治安や医療制度に対する不安
海外駐在員には限りがある
海外駐在員になりたい!と思っても、すぐになれるわけではありません。
海外駐在には枠があり、ほとんどの場合が1拠点あたり数名しか行くことができません。
そのため企業側で海外ローテーションの計画を立てていることが多く、駐在するためにはまずそのローテーションの中に入らなければなりません。
駐在するまでには時間がかかることを覚えておきましょう。
文化や言葉の違いによるストレス
異なる文化や言語の違いは、海外で働く上で大きなストレス要因となることがあります。
言葉が通じないことや異なるビジネスマナーに対して、ストレスを感じることもあるでしょう。
こんなはずではなかった・・・とならないように、海外へ行く前に言語の習得をしたり、行く国の文化について事前に勉強しておくことをおすすめします。
家族や友人との距離が遠くなることも
海外で働く場合、家族や友人と離れて暮らさなければならないこともあります。
例えばアメリカと日本のような異なる時間帯で生活しなければならない時など、コミュニケーションを取るのが難しいと感じることもあるでしょう。
また、家族や友人と離れて暮らすことによって、孤独感や寂しさを感じることがあるかもしれません。
今ではSNSなどの普及によりコミュニケーションが取りやすい時代になっていますので、なるべく自分から家族や友人へコンタクトをするようにしましょう。
治安や医療制度に対する不安
海外で生活する上で、現地の治安状況について情報収集せずに出歩いてしまうと、犯罪に巻き込まれたり身の危険を感じることにもなりかねません。
また現地で病気やケガをした場合、異なる医療制度により医療費や手続きの難しさに直面することもあるでしょう。
海外で生活する場合は、必ず事前に現地での生活や仕事に必要な情報を収集し、準備をしておくことが必要です。
海外駐在員に必要な準備
- 赴任先の情報の入手
- 語学の習得
- パスポート・労働ビザの取得
- 現地での住居の確保
- 健康診断・予防接種を受ける
海外駐在が決まったら、渡航するまでにさまざまな準備が必要です。
以下にいくつか例を紹介しますので、参考にしてみて下さい。
赴任先の情報の入手
海外駐在が決まったら、まずは現地の情報を入手しなければなりません。
- 安全・治安情報
- 居住区エリアからオフィスまでの距離
- 駅やバスなどの公共交通機関
- スーパーや病院の位置
- 現地で日本食が調達できるか
日本の企業の場合は、事前研修などで現地の情報を入手することができます。
また現地にすでにいる駐在員や、帰国した駐在員などから現地の情報を教えてもらえれば、より詳細で生の情報を入手することができるでしょう。
語学の習得
語学については自分の現在の語学レベルと海外駐在先によって変わってきます。
また、駐在先で話す言語はほとんどが英語ですが、まれに英語以外の言語を話す国もあります。
語学研修を実施している企業がほとんどですが、週一回のレッスンなどで学習頻度がそれほど多くないため、オンライン英会話などを活用して赴任までに語学レベルを上げておくことをおすすめします。
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パスポート・労働ビザの取得
海外へ行くためにはパスポートが必要ですので、持っていない場合は手配が必要です。
労働ビザに関しても日系企業から海外駐在する場合は会社が手配をしてくれるケースがほとんどですが、国や時期によっては労働許可〜ビザ取得まで何ヶ月もかかる場合もあります。
赴任する日が決まっていても、ビザが取得できず渡航延期というのも実はよくある話ですので、辛抱強く待ちましょう。
現地での住居の確保
海外で生活するにあたり、暮らしやすい住居の確保は重要です。
- 会社までの距離は適切か
- 駅などの公共機関までの距離
- 治安・安全面は問題ないか
- 家のトラブルは少ないか
など、現地に駐在している日本人スタッフなどから事前によく話を聞いておくようにしましょう。
駐在先の現地スタッフに手配をすべて任せてしまうと、家の中や細かいところまで確認しておらず後々トラブルになるケースもあります。
できれば日本人スタッフに家を探してもらい、実際に家の中や環境を調査してもらってから決めるのがベストです。
健康診断・予防接種を受ける
海外駐在が決まってから現地へ行く前に、健康診断や予防接種を受ける必要があります。
予防接種の種類については行く国によって変わります。
- 破傷風
- A型・B型肝炎
- 狂犬病
- 日本脳炎
詳しくは厚生労働省のHPでも紹介されていますので、対象の地域や接種の方法など、一度目を通しておくと良いでしょう。
海外駐在員としてのキャリアアップ
- 日本に帰国後のキャリアアップ
- 海外駐在員からの転職
海外駐在員として働くことは、自分自身や家族、そして職場に多大な影響を与えることがありますが、同時にキャリアアップの機会を提供してくれることもあります。
以下では、海外駐在員としてのキャリアアップについて説明します。
日本に帰国後のキャリアアップ
海外駐在が任期満了となり日本の会社へ帰国する場合、戻った先でのポジションは駐在前よりも上のポストが用意されていることが期待されます。
企業側も、海外で経験を積んだ駐在者の経験やビジネススキルを日本へ浸透させ、会社を成長させたいという思いがあります。
ですが戻った後も駐在前と同じポジションしか与えられない場合、しばらくして役職が与えられるのであればいいですが、変わらない場合は転職してキャリアアップを目指すことも考えてみると良いでしょう。
【現役駐在マネージャーが教える】海外赴任経験は転職に有利?キャリア・エージェントについて解説
海外での駐在経験は、日本で暮らしていては味わうことのできない貴重な経験です。 現地で得たマネジメント力・コミュニケーション能力・語学力は、キャリアアップに有利な要素となります。 この記事では、欧州ベルギーで海外駐在員として営業マネージャーを経験した筆者が、転職に関する情報やおすすめのエージェントについて紹介します。
海外駐在員からの転職
海外駐在員として働くことは、日本国内で働く場合と異なる経験を積むことができます。
その経験をもとに、さらなるキャリアアップを求めて新たな職を求めるのも良いでしょう。
- 日系企業か・外資系企業か
- 日本で働くのか・海外で働くのか
- 海外駐在員か・現地採用か
海外で働くことは、今後のキャリアにおいて大きなアドバンテージとなります。
上記のように選択肢も増えますので、海外駐在した後の人生プランを考えてみると良いでしょう。
【外資系企業 vs 日系企業】転職するならどっち?違いやメリット・デメリットについて徹底解説!
よく外資系企業では成果を重視すると言われますが、海外での経験があるのであれば、外資系企業への転職も選択肢として持っておくべきです。 この記事では、外資系企業と日系企業との違いやメリット・デメリットについて紹介します。 海外での経験を活かして、外資系企業への転職へチャレンジしてみたい!という方はぜひ参考にしてください。
まとめ
海外駐在員とは、日本の企業から海外に派遣されて仕事をすることです。
海外駐在員には、言語能力や文化理解力、コミュニケーション能力、ビジネススキルなどのさまざまなスキルが求められます。
英語力やコミュニケーションだけでなく、外交的で柔軟な発想を持って異文化の人たちと向き合える人は、海外駐在に向いていると言えるでしょう。
また海外での生活や生活に困らないよう事前に情報収集をしておくことで、スムーズに海外駐在をスタートすることができます。
あとは少々のトラブルや問題があったとしても、あまり気にしないことです。
細かいことは気にせず、おおらかな気持ちで過ごすことで、充実した海外生活が過ごすことができるでしょう。
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